おはようございます、twitter idはotoyasumiのkijimaこと來島です。

前回の記事では、ソーシャルアプリ向けのFlashを作る際の
心がけなどについて考えてみました。

・携帯ソーシャルアプリ向けFlash開発から見えてくる、面白いゲームの作り方(1)

 

今回は主に、ソーシャルアプリに限らない
「ゲームの面白さ」に焦点を絞って、深く掘り下げていきたいと思います。

文章を書き終わってみて見返してみたところ、
前回の記事とは異なる主旨であると判断したので
勝手ながら、タイトルを変えさせていただきました。

 

 

ゲームの"面白さ"は一体どこに隠れているのか?

ハドソンの高橋名人がこんな事をおっしゃってました。

ヒットしたゲームはそのベールを全部外していくと、
絶対コアの部分で面白い部分が残るんです。

ラインフレームであっても、丸と四角だけでも面白いはずなんですよ。
「丸と四角がマネキンにならないと面白くない」というのは、
「ゲームとしては中途半端だからではないか」と思っています。

「Business Media 誠:16連射、ゲームは1日1時間の裏側——高橋利幸氏、ファミコンブームを振り返る」より引用)

 

この言葉を裏付けるようなゲームを二つ、ご紹介します。

 

一直線クエスト
StraightwayQuestTitle.jpg

携帯向けFlashLiteのゲーム、ジャンルはRPGです。

 

4 キーでもどる。5キーで止まる・調べる。6キーですすむ。
基本操作はそれだけ。
シンプルで、誰でも遊べるRPGです。
でも、チープじゃない、
RPGの根源的な楽しさはちゃんと詰め込みました。

(画像・文章を解説記事より転載)

 

Flashゲームを開発している人には
ぜひとも一度体感していただきたいゲーム。
月額支払い制ではなく、買い切りです。

このゲームのコンセプトは、「昔ながらの正統派RPG」。
ゲームバランスが絶妙です。

加えて、「やりこみ要素」「マルチエンディング」「自分と敵との意外な関係」
といった比較的近年のRPGでもあるような要素も取り入れています。

しかもその取り入れ方が、高橋名人の言葉を借りて言うならば
ベールを脱がせたコア要素のみ(笑)

 

ちょっと待て、ゲームバランスとは一体なんなのか?
ゲーム紹介の途中ですが、自分なりの言葉で表してみました。

いかにユーザーの思い通りになりすぎないように、思い通りにさせるか。

おかしな日本語ですが、これが大事かなぁと。

 

ある程度はユーザーに自由に操作させてあげないと
「やらされている感」が募り、飽きてしまいます。

ただ、その中にも必ず「意外性」を持たせることが重要。

僕自身はゲームを作るとき、常にこれを意識しています。

 

 

では次に、もっと余分なものを削ぎ落した、
それこそコアの部分のみのようなゲームをご紹介します。

少し前に話題になったのでご存知の方もいるかもしれません。

 

"Small Worlds" by David Shute
smallworlds.jpg

デザインはドット絵、操作は上下左右キーのみ。
中央の赤い棒のようなものが自キャラであることがわかります。

 

smallworlds2.jpg

探索していくと、どんどんマップが現れていきます。
操作もルールも見た目も単純明快。15分あればクリアできてしまいます。

 

 

任天堂の惑星探索アクションゲーム「メトロイド」
極限までシンプルにしたら、
きっとこのゲームになるんじゃないでしょうか。

弾も撃てない、アイテムもない、敵も出てこない。
そして台詞や文字での説明もない。

高橋名人の言うところの
ベールを全部外していったらコアの部分だけが残った、そんな状態。

でも、"未開の地を探索してだんだんと真相に近づいていく"という
このコアの部分がなにより面白い。

個人的には、曲の雰囲気はそのままに、
音色が昔のファミコンのような8bit音源だったらもっといいなぁ…、なんて思ったり。 

 

いやー、それにしてもドット絵の表現には
想像力をかきたてるパワーがありますよね。

もともと人間は、足りないものを
想像で補完してしまう力があると思いますが、
それを狙ったモノづくりができる人、

例えばホラー映画なんかを作っている人、ほんと尊敬しちゃいます。

 

これはゲームに限らず、
ユーザーに向けたサービスを作る上でも言えることですが
なにかと付け足すことが親切になると誤解しがちです。

クライアント、企画者、開発者の三者が
それぞれユーザーインターフェース(操作方法や道しるべ)に対して
同じ方向を向いた理解をしていなければ、
結果としてユーザーにとっては使いにくいもの、
謎なものが生まれてしまいます。

そうならないために三者間に必要なのは
「なぜそのユーザーインターフェースが最適か?」という根拠を
ちゃんと説明できるリーダーシップを持った人物だと思います。

 

これってもしかすると、
道路を作る仕事にも通じているかもしれません。

交通を整理するためにといって
道路標識をどんどん立ててしまっては、
混乱するだけで、見た目も悪くなってしまいます。

運転手にそれを意識させることなく
結果的に思う通りに交通整理できている道こそが、
優れた道のデザインだと思うんです。

建築家や都市デザインなんかをしている人、ほんと尊敬しちゃいます。

 

…と、勝手に話をインターフェース論にすり替えて
カタルシスを迎えてしまいましたが、
話をゲームに戻しましょうか。

 

 

面白さの本質を突いているものは世代やプラットフォームに左右されない

何年前だったでしょうか?

携帯でゲームができるようになったあの頃、
ファミコン初期にヒットしたゲームや
有名タイトルがどんどん移植されました。

また、同じようなことが
iPodTouch、iPhoneの登場時にも起こりました。

 

これがどういうことかというと、
わかりやすくてシンプルで、それでいて
ヒットしたゲームコンテンツを持っていることが
大きなアドバンテージや資産になっているということです。

 

ファミコンに限らずとも、最近では
CANABALTやLine RiderなどがPC上のFlashゲームとしてヒットし、
その後、iPhoneアプリに移植されました。

(CANABALTは予めiPhoneアプリを想定して開発されていたようですが)

 

CANABALT
CANABALT.jpg

男がビルからビルをジャンプして駆け抜けていき、走った距離を競うゲーム。
できる操作はジャンプする、それのみ。とにかく疾走感がたまらない。

 

Line Rider
linerider.jpg

自分の書いた線(Line)の上を、
Riderがジェットコースターのように滑っていくゲーム。
絶妙に計算されたコースを作りこむユーザーの作品が話題となりました。

 

 

最近ではモバゲーやmixi、facebookといったSNSに
オープンプラットフォーム化の波が押し寄せ、
"既存のコンテンツを他のプラットフォーム向けへ移植する"といった
これまであまりなかった類の作業をすることが増えてきました。 

コンテンツの制作者の立場としては、
今まで以上にたくさんの人に見てもらう機会が増えるわけなので
嬉しい限りです。

ということは、ひとつ面白いゲームを作れば
多くのチャンスがあるということです。

 

そして、たとえ単純なものであっても
優れたコンテンツが消えていかない理由があります。

それは、遊ぶ世代が移り変わっていくからです。

 

世代を超えて共感できる遊び・ゲームといえば、
一昔前ですと、オセロやトランプ、将棋、花札といった遊びのことでした。

ですが、今の時代は
そこへテトリスやマリオが加わり、
ドラクエ、ポケモンまでもが加わる勢いです。

(アニメの分野ではドラゴンボールやガンダムといったところでしょうか。 )

 

ヒットしたゲームのリメイクや移植というと、
既に遊んだことのある人からは
「手抜きじゃん」という声がいつも聞こえてきます。

ですが、古いハード機が故に現在遊べないゲームが
新しいゲーム機で遊べるようになるということは
若い世代が触れるチャンスがあるということ。

 

もちろん、先に述べたように
ヒットしたゲームコンテンツを持っていることは
ビジネス的にも大きな資産になる点もありますが、

いずれにしても、特定のゲームタイトルが
異なる世代間の共通言語にまで発展していくということは
長い目で見れば、遊びの文化にとって良いことのように思うのです。

 

 

…後半はなかなか壮大なテーマに足を踏み入れてしまい、
本筋からそれてしまいましたが、

いやー、ゲームって本当にいいものです。

 

 さて、自分もそういった長く愛されるゲームやサービスを作れるように
日々試行錯誤してゆきたいと思います。

 

 

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