ActionScriptをやっている人なら一度はお世話になっているであろうTweenerクラスライブラリ。

その製作者の一人であるZeh Fernando氏が、自身のアカデミックプロジェクトとして製作している「Fnk(フィンク)」というAIRアプリがすごいです。

一体なにがすごいアプリかというと、画面上に四角いオブジェクトを生成して、それらをパッチコードでつなげることで視覚的なプログラミングができるという、Max/MSP/JitterをFlashで再現したようなソフトです。とりあえず難しいことは抜きにして、こちらをご覧下さい。


Fnk (build 3631) - Video camera processing from zeh fernando on Vimeo

このFnkというAIRアプリ、またタイトルにあるMax/MSP/Jitterとは一体何なのか? 解説していきます。


まずはじめに、Max/MSP/Jitterって何?

おそらく初めて耳にする方もいるかと思うので、説明します。Max/MSP/Jitter(以下Maxと呼びます)とは、冒頭でもいったように視覚的にプログラミングができるソフトウェアのことで、マルチメディア(死語!?)やインタラクティブな仕組み、メディアアートの世界では当たり前のように使われています。

特に音楽や映像表現に強く、このソフトを使って作られた仕組みをミュージシャンはライブで使ったり、はたまた他の言語やデバイスと連携させてみたり、と挙げればキリがないくらい色んなものが作れます。

次に紹介するのは、Maxを使ってギターを演奏をしているビデオです。


楽器マニアとして知られる、Radioheadの愛すべき変態ギタリスト、ジョニー・グリーンウッドのギターソロです。アタックNo.1のステッカーが貼られたテレキャスターがいかしてます。

なぜこんな音が出るのか? たぶん、ギターの音をMaxで作られたぶっ壊れたようなループサンプラーのプログラムに入力して、その場で生音をサンプリング、再生スピードを変えたりループさせたりしてて出力しているのでしょう。

冒頭のカメラを使った映像表現の応用で、DJとVJを同時に一人でやったり、サンプラー、シーケンサーのようなものも案外簡単に作れます。MIDIデバイスとの連携もこなせる、できる子なんです。


では実際に、どうやって作っているの?

Max/MSP/JitterやFnkは、きわめてオブジェクト指向、かつ視覚的なプログラミング環境です。

冒頭のビデオを数回見てもらえればだいたい理解してもらえると思いますが、エディタなんかでコードを書くような、いわゆるプログラミング的なインターフェースではありません。

デスクトップのような画面内に、ポストイットのような「オブジェクト」を生成し、それぞれ役割を持ったオブジェクト同士をパッチコードでつなげていく作業になります。


せっかくなんで、Max/MSP/JitterではなくFnkで「Hello world」と出力してみる。
fnkでHello worldと出力してみた

これだけです。


そしてようやくFnkの登場です。

なぜ先にMax/MSP/Jitterの説明をしたかというと、それはやはりFnkがMax/MSP/Jitterによく似たアプリケーションだからです。というか、インターフェースはMaxそのまんまです。

かなり乱暴な説明ですが、要はMax/MSP/JitterをFlashで作ってAIRアプリにしちゃいました、というのが一番手っ取り早い説明かと。もちろん比較すると機能面ではMax/MSP/Jitterに劣りますが。

ソフト内にチュートリアルも含まれてあるようなので、ぜひインストールして体験してみては!?

Fnk (alpha)


最近、Max/MSP/Jitterにハマってます。

今回はFnkに関連しているということでMax/MSP/Jitterを解説してみました。でも、僕自身Maxを使い始めて数ヶ月なもので、全然Max/MSP/Jitterの魅力を伝えられてません。

Max/MSP/Jitter関連の面白い動画もかなりあるので、今度は連載形式にして書いてみようかなと。ソフトの使い方を覚えながら、随時記事にしていきます!

Max/MSP/Jitter 製品の概要


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